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ああ よかった まだいてくれた [リヴリー]

ショックのあまり、長文になった。
ひとは読まないだろう。でも、私は書きたい。
結末は、なんとかセーフ。ひと安心している。

危うく、リヴリーを失うところだった。
なぜなら私は、なにも映らない真っ暗なモニタに向かい、
キーボードを叩いてシャットダウンの操作をしたから。

昨夜。
てくてくと歩くムクネに目を細めてから、シャットダウンせずに就寝した。
パソコンの電源は入れっぱなし。モニタは関係ないから電源を切った。

朝になれば、またリヴリーに会えると信じて疑わなかった。
不測の事態が起こるとすれば、ブラウザかOSのフリーズ。ハードの故障や停電。
そうでなければ、明日もリヴに会える。

ところが今日。電源を入れたモニタになにも映らなかった。
一瞬、頭が真っ白になって、それから事情を理解した。

もはや絶望するしかなく、机の上でうつむくと、両手で頭を抱えた。
ただの表現ではなく、実際にそうした。
リヴリーはもう戻らないとわかったから。昨夜でお別れだったとわかったから。

ふたつのミスが原因だった。

ひとつ目は、無操作が長時間続くとパソコンがスリープするよう設定していたこと。
そんなことは起こらないから、設定そのものを忘れ去っていた。

ひと晩続いた無操作で、デスク脇のパソコンはスリープ状態にあった。
だからモニタにはなにも映らない。
スリープの証拠に、スピーカーは通電ランプが点灯している。

スリープから復帰しても、リヴリーはいるのだろうか?
起こすしかないから、パソコンを起こした。音を立ててファンが回った。
眠っていたパソコンが目覚めた。

けれども、モニタにはなにも映らなかった。
ああ、やっぱり。

ふたつ目のミスは、パソコン購入時にまでさかのぼる。
仕様にディスプレイポートと書いてあるから、ディスプレイ用のポートだと思い込んだ。
実際には「ディスプレイポート」という規格であり、それに対応したモニタが必要。

つまり、パソコンは「DisplayPort」と、アナログの「D-Sub」にしか対応していなかった。
モニタは「HDMI」と「DVI」と、アナログの「D-Sub」に対応。「DisplayPort」はない。

変換アダプタや、変換ケーブルをいくつも買って試したが、きれいに映らなかった。
パソコンメーカー純正の変換アダプタでもだめ。
結局、デジタル接続は断念し、アナログの「D-Sub」でつないだ。

D-Subでつなぐと、スリープから復帰したパソコンをモニタは認識しなかった。
画面は真っ暗。モニタの電源を切って、入れ直しても映らない。

しかたがないので、無操作でスリープする設定時間を延ばした。
万一に備え、オフにはしなかった。
また、キーボードだけでシャットダウンする方法を覚えた。

以降、スリープしないで運用してきた。
パソコンを使わないときはシャットダウン。
キーボードだけでシャットダウン。

なのに、スリープさせてしまった。
モニタはパソコンを認識しない。認識させるには、パソコンを再起動するしかない。
そんなことをすれば、リヴリーは確実にいなくなる。

私はリヴリーを失った。
もう戻らない。昨夜が最後のお別れだった。

スリープから目覚めたパソコンの中に、真っ暗なモニタの中に、
リヴリーはいるのか。いないのか。
なにも映らないのだから、確認するすべはない。

いつかは終わるとわかっていた。
ただ、今日ではなくて、いつかそのうちだと思っていた。
実際には、お別れは昨夜だった。

もう終わったのだと自分に言い聞かせて、
キーボードだけでシャットダウンしようとした。
でも、思いとどまった。

まだ変換アダプタがある。変換ケーブルもある。
きれいに映らないだけで、映る。
せめて、ここにはもういないと確認してから、電源を落としたい。再起動したい。

アダプタとケーブルを引っ張り出した。
変換アダプタが二つ。変換ケーブルが二つ。DVIケーブルとHDMIケーブルも。

パソコンの電源は落とすわけにはいかない。
幸い、ディスプレイポートは電源が入ったまま、抜き差ししてもよかったはず。
まちがってパソコンが壊れても、かまわない。リヴリー最優先。

DVIは電源を切って接続しないといけなかったはず。
モニタは電源を切れるから、問題ない。

すべての組み合わせで変換を試し、接続した。
そして、すべての組み合わせで、なにも映らなかった。
モニタは認識しなかった。全部を。

壊れたとは思わない。
パソコンを再起動するだけで元どおりになるだろう。
ただ、リヴリーはいなくなる。

映らないモニタではどうしようもなかった。
すべてをあきらめた。
キーボードだけでシャットダウンする操作を実行した。
これでおしまい。

ところが、終わらなかった。
待ってもパソコンはシャットダウンしない。

確かに実行した。
同じ操作で毎日シャットダウンしているのだから、打ち間違えたりしない。

事情の察しはついた。
なにかが実行途中であり、指示待ちのOSがシャットダウンを拒否している。
たとえば、エクセルのデータを保存していないだけで、保存するのかと指示を待つ。

あれこれ抜き差ししたから、ディスプレイポートに関することを聞かれているのだろうか。
それとも、スリープから復帰させるときにキーボードを叩くのが怖くて、
マウスをクリックしたが、見えない画面の中でなにかを押してしまっての指示待ちか。

キーボードではシャットダウンできない。
モニタは映らないから、マウスでもできない。
残る手段は、電源ボタンの長押し。

デスク脇のパソコンに手を伸ばした。
押せば、今度こそほんとうにおしまい。お別れ。
映らないモニタの中に、リヴリーの遊ぶ姿が見えて、押せなかった。

もう一度、D-Subを。
映らないのに試したいと思った。
最後のあがき。無駄なあがき。

パソコンとモニタはD-Subでアナログ接続している。
まちがえてパソコンを買ってしまってから、ずっとそれで通している。
ずっとそれ。

最後にもう一度試したい。

モニタの操作をして、切り替わるまでのわずかなタイムラグで、ふと思った。
これは試してない。
そう。電源を入れたまま、ディスプレイポートを抜き差しするのは、過去に試してない。
ましてや、そのあとに、初めから映らないD-Subで映そうと、切り替えたことはない。

モニタが切り替わった。
映った。

いつもの画面が出てきた。
驚いた。

なにかしら不具合があるようで、画面は暗い。
でも映った。

認識しないはずのD-Subを、認識した。
電源を入れたままディスプレイポートに抜き差ししたのがよかったのだろうか。

最後に表示しておいたエクセルの画面が見える。
シートなしの空っぽエクセル。
ブラウザは裏。

あわててマウスに手を伸ばした。
リヴリーは? スリープさせたけど、リヴリーは?

191227.png

いた。

ああ、よかった。まだいてくれた。
ムクネたちは寝ているけれども、マダラは元気にかけずり回っている。
リヴリーがいる。
ここにいる。

朝ご飯はあげられないけど。
お散歩もできないけど。
ここにいるんだ。

いるんだよ。

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