煩悩の運び屋

トレードをしていると、何度も金銭欲にじゃまされた。
o(*≧д≦)o ぷんすか

もっと安く買いたい、もっと高く売りたい、もっともっと。
欲望は果てしない。

そして。
買うのを待てば、値上がり。売るのを待てば、値下がり。
金銭欲はじゃましかしない。

先日、大きな含み損を解消した。
買って損をし、売って損をした。
このときの心理が興味深かった。

お金が動かないとき、金銭欲は出しゃばらなかった。
「私」の知能と教養はさておき、極めて理性的に判断できた。
そのまま行動したなら、大きな含み損を抱えることはなかった。損失も出なかった。

取引が始まってお金が動き出すと、金銭欲がしゃしゃり出てきた。
もっと儲けたい。もっともっと。もっと。
「煩悩」に操られるまま行動した結果、大きな含み損を抱え、損失も出した。

金銭欲という名の煩悩を、いかに御するか。
この命題に取り組んで、答えを得た。
「私」が主役なのではなく、私の中の「煩悩」こそが主役である――と。

どういうことか。
オーナー社長のいる小さな会社で考えてみよう。

社長が現場を統率し、事務は総務部長に任せている。
規模が小さいから総務部が唯一の事務部門で、経理も兼ねている。

「総務部長」が暴走し、会社ががたがたになった。
「オーナー社長」は部長を注意し、解雇するだろう。

しかし「私」が「煩悩」に注意しても言うことを聞かないし、クビにもできない。
では、役目を入れ替えるとどうか。

「オーナー社長」が暴走し、会社ががたがたになった。
「総務部長」が社長に注意しても無駄だし、オーナーだからクビにはできない。

答えは出た。
「煩悩」がオーナー社長である。
「私」は総務部長。

どうりで御せないわけだ。
私は主役ではなかった。
オーナーである「煩悩」こそが主役である。

いつだったか、「肉体は遺伝子の運び屋」なる言葉を目にした。
生物の主役は遺伝子であって、肉体はその運び役にすぎないのだとか。

ならば、「私は煩悩の運び屋」だろうか。
否。それではただの獣だ。知的生命体とは呼べない。

思うことと、考えること。と書いて、思考と読む。
だが、思うことと考えることはちがう。
ただ思うだけなら、犬や猫にもできる。
連中は言語を持たないから、思いを言葉にできないだけ。

人類には二種類存在する。
獣としてのヒトと、知的生命体としてのヒトだ。

自らを知的生命体と誇るのなら、しっかり考えなければならない。
思うのではなく。

煩悩は私自身の無意識であろう。
心の奥底にひそむ、潜在意識だ。
洋上で波に揺られる小舟が「私」なら、「煩悩」は深海にひそむ潜水艦。

心の中の、はるかな深みで、私を支配する者がいる。
Σ(￣口￣|||) ががーん

そもそも、儲けたくて始めたトレードだ。
最初から金銭欲が主役だった。

私は脇役として、参謀に徹することにした。
無謀な君主を破滅から救おうとする幕僚だ。

そんなこんなで。
含み損48万円から脱出した誰かさんは、
リスタートに備えて、あれこれと策を講じているのだった。

[壁]_σ) ＜ 以上、ひさしぶりの長文日記でした。

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コメント 4

死ぬまで煩悩との戦いですね　私はいつも負けてます§￣▽￣；§ゞ
by 雪渦 (2018-06-16 05:27) 

煩悩に操られて、俺ちゃんゲットしましたな？ d(￣∀￣*)
by siamneko (2018-06-16 10:30) 

深いですね。
人生の深淵も煩悩も。
理性と煩悩の舵取りこそ
その人間のその人たらしめるものなんでしょうね。
長い長い闘いですなぁ・・。

by takehiko (2018-06-28 10:25) 

o(*≧□≦)o ＜ でも負けてばっかりなんですーっ
by siamneko (2018-06-28 22:32)